こんにちは、トシです。
ドルコスト平均法ってご存知でしょうか。
定期的に一定額を積み立てることにより高値掴みを防ぐ投資手法なのですが、実はドルコスト平均法は不要という考え方があります。
その考え方について解説します。
ドルコスト平均法主義者にこそ見ていただきたい内容です。
この記事を読めば、ドルコスト平均法が万能ではないことがわかると思います。
正しい知識を身に付けて正しい投資判断をしましょう。
ドルコスト平均法は不要!ベストパフォーマンスを出すためには一括投資!
ドルコスト平均法っていうと月々一定額を積み立てていく手法だよね?
高値掴みが避けられるから初心者向けのいい投資手法なんじゃないの?
初心者向けなのは間違いありませんが、より良いパフォーマンスを目指すなら実は最善ではないのです。
今回は前提条件として宝くじが当たり、5,000万円手にした場合です。
要は多く現金を持っているけど継続的な収入が見込まれない人が対象です。
投資額を5,000万円として、
- ドルコスト平均法で5年かけて買付時期を分散して投資した場合
- 1年目に全額一括投資した場合
上記1と2を比較すると一括で投資した場合の方がリターンが多く、損するリスク(可能性)が少ないという結果になります。
一括の方がいいの?
リターンが多いのはともかく損するリスクが少ないって一体どういうこと?
解説しましょう。
ドルコスト平均法と一括投資の優劣は平均取得単価で決まる
ドルコスト平均法よりも一括投資の方がリターンが大きく損するリスクが少ない。
本当にそうなの?信じられない!
一つずつ考えていきましょう。
前提条件として
- 投資対象は同じ
- 合計の買付額は同じ5,000万円
とします。
株を買った時期以外は一緒だよってことです。
今回、比較するのは以下です。
- 5年かけて5,000万円を投資する
- 一括で5,000万円を投資する
どちらが優秀なリターンを得ることが出来るかを判断する場合、何を見ればいいかわかりますか?
うーん、何?
平均買付単価だけを見ればOKです。
今回の比較は投資対象は同じなので、6年以降の投資成績を気にする必要はありません。
5年間で分散して投資していく場合と一括で投資する場合の平均買付単価だけを考えれば比較が成立します。
では平均買付単価が一括投資>ドルコスト平均法(ドルコスト平均法の方が安く買える)となるのはどんな時でしょうか。
一括で買った後に株価が下がった場合だよね。
そうです。一括で買った後に株価が下がり、その状態でドルコスト平均法で買い続ければドルコスト平均法の方が買付単価が下がります。
チャートで例を出すと以下のようなパターンです。
こんな場合はドルコスト平均法の方がお得ということですね。
平均買付単価を図で比較するとこんな感じになります。
一括投資の場合は上の赤のラインが平均買付単価になります。
一方、ドルコスト平均法で買い付けた場合は青のラインが平均買付単価になります。
青の点の時期に購入したと考えます。
2つの表を組み合わせると、
となり、赤のラインと青のラインの差が平均買付単価の差となって、青ラインであるドルコスト平均法の方が買付単価が低く抑えられていることがわかります。
では逆に平均買付単価が一括<ドルコスト平均法(一括の方が安く買える)となるのはどんな時でしょうか。
えーと、一括の方が安く買えるんだから
株価が右肩上がりになった時かな?
その通りです。一括で買った時期が一番安い価格だったら一括投資の方が平均買付単価が下がります。
チャートで例に出すと以下のようなパターンです。
このように一括で買った時が安値だったら一括投資の方がお得です。
同じように平均買付単価を比較してみます。
一括投資の場合は上の赤のラインが平均買付単価です。
一方で、青のラインはドルコスト平均法の平均買付単価です。
そして、2つの表を組み合わせると、
平均買付単価は赤のラインの一括投資の方が低く抑えられていることがわかると思います。
今までの話をまとめると、
「今から5年間のうちに株価が下がればドルコスト平均法の方が得」
ということになります。
これでどんな場合なら一括投資が得なのか分かったと思います。
ドルコスト平均法と一括投資のリスク面の比較
続いて、ドルコスト平均法と一括投資のリスク面を比較していきます。
一括とドルコスト平均法の場合のアセットアロケーションは以下の通り。
アセットアロケーションとは資産の配分のことを指します。
ここでは持っているお金5,000万円に対して何パーセントが現金で何パーセントが株式か、ということです。
株式の比率が多い程リスクが高いって事だね!
表にまとめると一括とドルコスト平均法で以下のようなアセットアロケーションになります。
一括 | ドルコスト平均法 | |||
現金 | 株式 | 現金 | 株式 | |
1年目 | 0% | 100% | 80% | 20% |
2年目 | 0% | 100% | 60% | 40% |
3年目 | 0% | 100% | 40% | 60% |
4年目 | 0% | 100% | 20% | 80% |
5年目 | 0% | 100% | 0% | 100% |
一括投資では1年目から株式が100%、一方でドルコスト平均法の場合は1年ごとに株式の割合が20%ずつ増加しています。
あれ、待てよ…?
これはもしや…
そうです。ドルコスト平均法をとったとしても5年後以降のリスクは一括投資と変わりません。
更に、4年目時点でもリスクは一括投資と比較して20%の現金分しかリスクヘッジが出来ていないのです。
1年目に暴落が起きた場合は確かにドルコスト平均法に有利に働きます。
しかし、暴落が起きるのが2年目、3年目・・・と遅れるごとにドルコスト平均法がもたらすメリットは小さくなっていくのです。
4年目ともなれば20%分、現金1,000万円分のリスクヘッジしかできていません。
つまり、ドルコスト平均法を行うことはリスクをゆっくり増やしていくだけということです。
一方で年間利回りの機会損失は確実に積み重なっていきます。
年利4%の金融商品の投資を1年間遅らせるということは、投資金額×4%分の機会損失をしていることに他ならないためです。
2年遅らせれば複利効果も相まって8.1%、3年遅らせれば12.4%の機会損失になります。
表にすると以下。
投資を遅らせる期間 | 機会損失の期待値(%) |
1年 | 4% |
2年 | 8.1% |
3年 | 12.4% |
4年 | 16.9% |
仮に5,000万円を1年ずつ1,000万円分散させて投資した場合、一括投資と比較して416万円分もの機会損失をしているということになります。
上記は年利4%が見込める場合です。
確かに暴落は来ます。
そして、暴落が早く起きれば起きるほどドルコスト平均法の優位性はあります。
しかし、それが5年目以降であればドルコスト平均法に優位性はありません。
また、5年以内に暴落が起きたとしても、暴落が起きるのが遅ければ遅い程、ドルコスト平均法の優位性は低下していきます。
ちなみにこれって保険でも同じ考え方が出来ると思いませんか?
どういうこっちゃ?
保険も掛け始めてすぐ保険適用出来たら得ですが、
保険適用できる時期が後半になればなるほどメリットが薄れるんですよ。
保険(ドルコスト平均法)は不幸(暴落)が早期に起きることにかけているわけです。
なるほど・・・
大体の場合は保険かけるよりも現金で備えた方がいいからね。
そう考えるとドルコスト平均法よりも一括投資の方がいいのかなって考えもわかると思います。
ドルコスト平均法は期待リターンを捨てているので損失リスクが高くなってしまいます。
ドルコスト平均法よりも一括投資の方が優れている理由まとめ
今回、ドルコスト平均法よりも一括投資の方が優れているという話をしてきました。
まとめると以下の通りです。
前提条件
- 投資対象は同じ
- 合計の買付額は同じ5,000万円
- ドルコスト平均法で5年かけて買付時期を分散して投資した場合
- 1年目に全額一括投資した場合
- 1と2を比較する
上記の場合において、ドルコスト平均法よりも一括投資の方がリターンは大きく、リスクは少なくなります。
勿論、期待値の話なので、ドルコスト平均法の方がより良いパフォーマンスになる可能性もあります。
しかし、そもそも株を買うということは将来株価が値上がりすることを望んで買っているはずです。
なのに、この5年間だけ価格が値下がりすることを望むというのは少し矛盾している気がしませんか?
前提条件としては「今現金が手元にたくさんあるけど継続的な収入ではない」場合の話です。
今投資に回せるお金がないというのであれば、収入を得るたびに積み立てる必要があるので自然とドルコスト平均法になります。
しかし、お金が十分にあり、今後もいずれ投資にまわすお金ならば、一括で投資する方がパフォーマンスが高いのです。
投資対象はしっかり分散されている必要もあり、予め決めておいたアセットアロケーションを渦さないことも重要です。
これらの情報を正しく理解して正しい認識で楽しい投資ライフを送りましょう。
今回は割愛しましたが、投資対象はしっかり分散されて長期的に右肩上がりが見込まれるものを選定する必要があります。
また、あらかじめ決めておいたアセットアロケーションを崩さないことが前提です。
とにかくフルインベストしておけばいいわけではないので注意。
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